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ROOT.1

SULUMI

エレクトロニック・ミュージックの音楽人

エレクトロニック・ミュージックレーベルshanshui Records代表

www.shanshui-records.com
www.shanshui-records.com/sundawei/


1982年遼寧省鞍山市生まれ。本名、孫大威。

SULUMIは、あるゲームキャラクター名のアルファベットを適当に抜いてできた名前。特に意味はない。

2002年PANDA TWINの名前で『The Man Who Hated The Shadow』をリリース。

2003年SULUMIの名前では初のアルバム『air inhibition of water』をリリース。同年、中国国内初のエレクトロニック・ミュージック専門レーベルshanshui Recordsを開設。各国のミュージシャンによるコンピレーションアルバム『V.A/Landscape』もリリース。

その後、『Visit-Partial Works: Remix』、『Stereo Chocolate』、『i know someone will look into my eyes tomorrow』、2007年12月リリース『What Has Happened to Me in This World』を発表。自身のアルバムだけにとどまらず、海外のミュージシャン、レーベルとのコラボレーションも目まぐるしい。

PROFILE

INTERVIEW

R=ROOT、S=SULUMI)

R:おそらく多くの日本人が「中国にもエレクトロニック・ミュージックってあるの?エレクトロニック・ミュージックのミュージシャンっているの?」という認識でしかないと思うのですが、ご自身が初めてエレクトロニック・ミュージックに触れたのはいつですか?


S:2000年に知り合いの日本人に聞かせてもらったのが初めての出会いです。それまで聞いたことのない音源だったので、なんだかよく分からなかったですね。その後、その音源を数ヶ月、聞き続けました。次第に、もっと新しい音源に触れるべきだと感じ始めたんです。ちょうどその頃、パソコンを購入したので、実験的にパソコンで音作りを始めました。


R:そして、エレクトロニック・ミュージックの世界に入っていくわけですね。どのようにして、自身の音作りをしていったのですか?


S:エレクトロニック・ミュージックに対する考え方や音作りの手段は、自分自身で探っていったといえますね。インターネットで海外のレーベルを調べ、音を聞いて、聞いて、聞いて・・・。それは、例えば一杯の水のようなものです。飲まなければ、その水がどんな味なのかわからない。飲んで初めてその味を知ることができる。ひたすら研究し、次第に音と質感を知るようになっていったんです。


R:そして、2003年に中国国内初のエレクトロニック・ミュージック専門レーベルshanshui Recordsを設立するわけですが、当時、どうしてレーベルを立ち上げようと思われたのでしょうか?


S:エレクトロニック・ミュージックに接すると同時に、多くのレーベルに触れました。レーベルとは何なのか。個人の小さな会社であり、自身の考えを体現できる理想の国でもある。それって、すごくかっこいいし、より自由に自己表現ができると思ったんです。


R:中国のエレクトロニック・ミュージックの現状はいかがですか?始める若者もここ数年で増えてきているのではないですか?


S:欧米や日本のエレクトロニック・ミュージック市場が大型スーパーマーケットだとすると、中国はまるでキオスクのような小さな売店みたいな感じですね。知らない中国人が圧倒的多数を占めているという状況です。確かに、最近、エレクトロニック・ミュージックを始める自称ミュージシャンの若者が増えてきているのですが、ちょっとかじっただけで「お、俺にもできる」と勘違いをしているんです。プロとして音楽に携わるというのは、そういうことではない。知識だけではいい音楽はできないんです。ただ、私は中国のマーケットは別に重要視していないんです。


R:重要視していない?


S:重要視していないというか、中国のマーケットとは「賢く付き合っていきたい」といったらいいでしょうか。環境や人々の需要と大きな関係があると思うのですが、中国のマーケットは未熟といえます。その部分には時間を割きたくないんです。自身の音楽をCDにして、聞き手に届けたい。海外では、音楽ができるとそれに見合うだけの反応が返ってきます。ミュージシャンの想いや存在がちゃんと伝わるんです。でも、中国では、人々が自覚をしない限り、そのような共感は得られないと思っています。私はただ、真剣に音楽をつくり、レーベルを育てていきたいだけなんです。


R:では、ご自身は音楽に何を込めているのでしょうか?また、SULUMIさんにとって、エレクトロニック・ミュージックとは?


S:その時々の私の心情にもよるのですが、時には「感情、日々感じること、日常の出来事」を音にして届けたり、時には単なるシンプルな音源だったり。それ以外、特別なモノは何も入れていないですね。私にとってエレクトロニック・ミュージックとは、とんでもなく大きな銀河の世界です。


R:エレクトロニック・ミュージックに触れる以前は、どのような音楽に触れていたのですか?バンド活動もしていたそうですね。


S:小学生の時に、日本の音楽でいうと初めてB’Zを聞きましたね。その後、中学一年生で初めて中国ロックに触れました。当時、手に入るロックはすべて聞いていたと思います。その後、1997年にギターを習い始めたんです。高校の休暇期間中、北京のおばの家に寝泊まりしライブハウスに通ったりしましたね。沈陽の音楽学院で音楽の勉強をしたのですが、学校での勉強は・・・想像していたのとは違って非常につまらなく、約一年で退学しました。その後、北京に移り住もうと決めたんです。北京に移り住んでからは、日本人との交流もあり、日本のロック、パンクを始め、ネット上であれこれ調べ、世界各国の音楽を聞くようになりました。雅楽や沖縄民謡、もちろんクラシック、ジャズなども。バンド活動を始めたんですが、方向性などを見失い、あれこれ迷っていた時にエレクトロニック・ミュージックに触れたというわけです。ある意味、エレクトロニック・ミュージックが私を救ってくれたといえるかもしれません。


R:ご自身の音楽の中には、ゲームボーイを使った音源が入っていたり、また、PSPを常に携帯されていたり、SULUMIさんのスタジオにも日本の玩具がいくつか飾られています。日本の文化はご自身の生活の一部なのでしょうか?


S:幼い頃に接したモノは、大人になってから広げることも、狭めることもできますよね。私は前者で、今でも日本の漫画やテレビ番組、ゲームが好きです。恐らく、同世代の人間だったら、皆好きだと思いますよ。ただ、私は中国で生活し、中国の環境の中にいます。ですから、日本とは違う環境をクリエイトしています。それに、私はアジアの文化が好きなんです。


R:また、音楽機材もそうですが、CDやレコードが山のようにありますね。中国ポップ、J-POP、ジャズ、クラシック、中国の古典音楽、沖縄民謡と世界各国様々な音楽に触れていらっしゃいます。それはやはり、ご自身の中に様々なジャンルの音楽を聞きたい、吸収したいという思いがあるからなのでしょうか?


S:その時々の気分や時期によって、聞きたい音楽が変わるということだと思います。ただ、海外のミュージシャンのライブを見たり、音楽を聞いたりするといつも感動するんですよね。それは、彼らが本当に「心」で音楽をつくっているからなんでしょうね。


R:国内のミュージシャンとの付き合いだけでなく、shanshui Recordsにも日本、スウェーデンのミュージシャンが所属しています。また、シンガポール、マレーシア、アメリカなど、他国のミュージシャンとも活動をされていますね。


S:なにより、彼らの音楽が好きなんです。彼らの音楽を、私の身近な人たちに紹介したい、そして、どんどん花開いて欲しいと願っているんです。これこそまさに、真の交流といえるのではないでしょうか。日常に彼らの音楽があるだけで、孤独を感じることはないんです。


R:そして、2007年6月からshanshui Recordsの仲間とエレクトロニック・ミュージックを紹介するラジオ番組も開設されましたね。(http://shanshui-records.com/dofradio/)それはやはり、中国の人たちにもっとエレクトロニック・ミュージックを知って欲しいという思いからなのでしょうか?


S:私がやっていることは非常に基本的なことで、音楽やアートを生活の一部にし、普及させ、交流させたい、ただそれだけなんです。


R:また、4月には、shanshui Records傘下に新レーベルKILL CLUBを設立し、アルバム『KILL CLUB#001』がリリースされました。


S:音楽をより系統立てた結果生まれたレーベルです。自分自身のコンセプトをよりはっきりさせたいと。聞き手にも、より簡単に同類の音楽が探せるように。数あるレーベルが同じような音楽ばかり発表していても、あまり意味がありませんからね。


R:今年2008年は、shanshui Recordsがスタートして5周年ですね。6月には、約一ヶ月の初の国内ツアーが終了しました。いかがでしたか?


S:今回、ツアーで訪れた都市のほとんどが初訪問だったので、旅行みたいな感じでしたね。ただ、どの都市でも、ファンの熱い声援を感じました。プレゼントをもらったり、私たちもグッズをプレゼントしたりね。


R:では、今後、shanshui Recordsはどのようなレーベルになっていくのでしょう?


S:今後のことは、誰にも分かりませんよね。ただ、今は目前のことを片付けていきたいだけですね。


R:今年、2008年下半期の予定は?


S:レーベルに所属する日本人ミュージシャン、USKのアルバムリリースと年末にレーベル5周年ライブを予定しています。


R:また、間もなく、北京オリンピックが開催されます。オリンピックに対してはどのような思いですか?


S:特別な思いはないですね。ただ、ここ数年、北京にライブハウス、クラブなどが増えたことでライブ数も増え、テレビ、ラジオ、雑誌などのメディアで取り上げられる回数も増えたという変化は感じますが。


R:中国はこれからますますグローバル化に向かうと思うのですが、SULUMIさんは10年後の中国、どのような姿になっていると思いますか?


S:音楽でいうと、アジアのエレクトロニック・ミュージックが最も強力になって、中国もその中の一員になっていることと思いますね。


R:では、1人の中国人として、世界をどのように見ていますか?


S:私はまだ世界を理解していないですね。それに、世界もまだ中国を理解していないのではないでしょうか。


R:最後に、北京は好きですか?北京で一番好きな場所は?


S:北京に移り住んで約10年になりますが、好き嫌いで考えたことはないですね。もちろん、その土地、土地によって違いはあるけれど、北京、大阪、上海・・・どの土地でも生活はできると思っています。ただ、北京での生活が長いですし、ここでの生活に馴染んでいるので、第二の故郷といえるかな。北京で一番好きな場所は自宅ですね。外は人が多すぎて、ちょっとうんざり。


注:SULUMIの紹介を「音楽人」としたのは、SULUMI本人の希望により。



SULUMIに影響を与えたエレクトロニックミュージシャン

YMO

Aphex Twin

Kraftwerk

Alec Empire

COM.A



SULUMIに影響を与えたバンド

The Velvet Undergroud

The Doors

Rediohead

David Bowie

Beyond


PHOTOS

SULUMI’S  WORKS

air inhibition of water

sulumi

1st album CD

2003 from modern sky

shop for the insomniac

sulumi

1st ep mini CD-R

2005 from shanshui

i know someone will look into my eyes tomorrow

sulumi

2nd ep CD-R

2006 from shanshui

visit < partial works < remix

sulumi

2nd album CD

2005 from shanshui

stereo chocolate

sulumi

3rd album CD

2006 from modern sky

what has happened to me in this world

sulumi

3rd ep CD

2007 from modern sky

撮影:楊大為

SULUMIのスタジオ

一日のほとんどをスタジオで過ごす

shanshuiRecordsのミュージシャンたちと

スタジオの片隅で、フィギア、玩具が見守る


Aphex Twin、中でもこの一枚がお気に入り

As Vivid As Your Lips』

Sulumi/Usk

Tuji Techno Fans Club

What has happened to me in this world』

sulumi

Melts In Your Mouth

What has happened to me in this world』

sulumi

Empry Heart

SULUMI本人の許可を得て、音源を掲載しています

写真一部、SULUMI提供

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